Ordinary World

ヤフーから引っ越してきました。

それぞれのルーム

 

人間関係というものは血の繋がりがあっても簡単にはいかない。

何かにつけ人間関係が難しくなっている現代では、
もしかしたらこんな風に2人だけの世界を作ってしまうほうが
楽なのかもしれないと思った。監禁という状況は頂けないけど。
広い世界は難しいことが多過ぎて、
ジャック君は閉じ込められていた部屋に帰りたいとさえ言った。
どんな場所であれ、ジャックにとってそこは生家になるわけだから。
ラストはもう一度「ルーム」を訪れる。
 
私が一番気になったことは、ジィジと呼ばれていたジャックの祖父。
この人は娘の無事を喜びながらも、
孫のジャックと向き合うことができなかったということ。
自分の常識の範囲のものしか受け入れられない人なのか?
ある意味、この人は一生自分だけのルームに閉じ籠ったままなのかもしれない。
ちょっと思い当たることがあって、凄く突き刺さった人物像だった。
 
ジャックがママの言う通りに脱出する場面は、
心臓の音が聞えそうなほどこっちもドキドキしたし、
あれほど犬を飼いたいと思っていたジャックの目の前にレオの犬が
現れた時は同じくらい嬉しかった!
これほどまでに感情移入してしまうのも、私も母だからかもしれないけど、
それだけに留まらない心の絡み合いが印象的な作品だった。